2009年1月11日日曜日

会社 ~激動の30歳ドキュメント5~

深い悲しみに包まれた中、

私を支えて続けてくれたのは、

婚約者である彼女に間違いない。

「本当に助かったんだよ・・・。ありがとう。」



さて、場面は変わり、仕事に戻った私を待っていたのは

想像もしない出来事だった。

いや、想像はできたが考えないようにしてきたのであろう。



背景を事細かに説明することはできないし、しても仕方ないので、、、

簡単に言えば、経営陣交代、会社合併という動きであった。

その裏にある様々なものによって、

仕事に対するモチベーションは著しく低下していった。



今まで、仕事を最優先に生きてきた男が、

仕事に対してのモチベーションを失うと、

どのようになってしまうのだろうか。

母を失った悲しみとの2重の苦しみの中で、

私は「人生とは何なのだろうか」と、その意味がわからなくなっていた。



しかし、そのように苦しむことは母は願っていないだろう。

私は母に幸せになることを誓ったんだ。

私はまず発想を変えることにした。

「人生は仕事が全てではない。」

私にとっては、パラダイム転換である。



私の中の「仕事」というもののプライオリティを一時的に下げることにした。

言い訳ではないが、仕事の手を抜くというわけではない。

考え方やそれに基づいて行動を変えるということだ。



仕事に殆ど全ての時間を割いてきたが、そうではなく、

意図的に他にも時間を割くようにした。

自分の中で割り切って、仕事の時間を決めて

その時間内で片付けるように努めた。

後になって思うと、かえって、その方が効率が良いように思えた。



そうやって意図的に作り出した時間で、

私は夢中になれる「何か」を模索していたんだ。



つづく



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