2008年10月26日日曜日

2次試験振り返り ~事例4編・終了~

生産事例が終わり、残るは財務事例を残すのみとなった。これまでの3事例、組織事例で大きな失敗をしたとは思っていたが、ぎりぎり踏みとどまっていると考えていた。後は最後の財務事例で全て決まると。比較的、財務事例は得意だった私は「難しいのが出ますように」と密かに願っていた。リポビタンD(D評価はイヤだと縁起かつぎに・・・おバカ)ならずリポビタン11を一気に飲み干し、財務事例が始まるのを待った。

解答用紙・問題用紙が配られ、透かして見ると、塗装業ということがわかった。さぁ、最後の事例がスタートしましたよ。

設問をさらっと通して見ると、おっ、取替投資か、差がつくかもしれないな。うわっ、節税効果?この論点でちゃうか・・・ちょっとまずいかもな。などと思いながら、与件を読み込み、経営分析を開始した。


第1問(配点30点)
D社の問題点の内、特に重要と思われるものを的確に示す
経営指標名、指標値、問題点の内容(60字)
⇒よかった・・・いつもと同じ形式だ。同業他社との比較か。与件からある程度、絞り込んでしまおう。いつもどおりやれば大丈夫なはず。目に付くキーワードは、「主力設備は当時の最新機能を備えたものではない」「メンテナンス費用が増加」「従業員の高年齢化」「設備更新に要する資金が体力に比べて過大」
こんなところか。私は基本的には収益性・安全性・効率性の3点から抽出することにしており、よほどのことがないとそのルールを崩すことはない。

【収益性】経常利益率:-0.55%
「設備の老朽化によるメンテナンス費用の増加、従業員の高齢化による人件費の高さ、多額の借入金の金利負担により、収益性が低い。」
【安全性】当座比率:61.86%
「企業の体力に対して、借入金が多額で借入金などの流動負債に対して支払原資である当座資産が不足し短期支払能力、安全性が低い。」
【効率性】有形固定資産回転率:3.87回
「5年前に更新した主力設備は最新機能を備えたものでなく、更に老朽化している為に売上の増加が見込めずに設備効率性が低い。」

まぁ、そこそこは取れているんじゃないかなぁ。

第2問(配点25点)
設問1
現主力設備の平成20年度以降の税引前営業キャッシュフローの現在価値
⇒税引前営業キャッシュフロー?なんじゃそりゃ。税引前純利益を使って営業CFを求めればいいのか?ランニングコストが毎年10%増加?うーん、でも年金現価係数しか与えられてないし・・・。思いつかん!こうなったら、1年1年計算するか(たかが5年分だし)と、求めた数値は-1440万か。とりあえずそう書いておくか。あれ、ちょっとまてよ。除却損が発生するじゃん!-350して、「-1790万」かなと。(試験終了後、おバカな間違いだと気付く、除却損関係ないじゃん・・・。あとWACCが10%、ランニングコストの毎年増加分が10%で相殺されるから、年金現価係数使えるじゃん・・・。まぁ除却損入れてしまった時点で終わってるけど、凡ミスだなぁ。もったいない)

設問2
現主力設備をそのまま稼動させた場合のD社の経営状況を予想
とるべき対策
⇒設問1の結果の「税引営業前キャッシュフローは~」という切り口を入れたほうが良かったのだろうけど、「経営状況」という言葉が引っかかり、現状の営業黒字・経常赤字という状況から考えて、「現主力設備をそのまま稼動させ続けると、早期に営業赤字となる可能性がある。対策は設備更新の為の資金調達を図ることである。」と解答記入した。まぁいいか。

第3問(配点25点)
設問1
現主力設備の売却、新設備導入を全額負債で行った場合
a:平成20年度の固定資産売却損
「1825万円」 これは大丈夫でしょう。

b:平成20年度の予想税引前純利益
⇒売上高をどこから持ってくるのか悩んだが、財務諸表ベースで考えることにした。平成20年度の予想P/Lに対して、ランニングコストの減額分(2000万)、減価償却差額(485万)、支払利息増分(640万)、固定資産売却損(1825万)を反映させて、税引前純利益は「-1250万」。何回も検算したから大丈夫だと思う・・・考え方が合っていればだが。

設問2
平成20年度期首における負債の節税効果の現在価値は最大いくらになるか
⇒これは、題意の捉え方に相当悩んだ。「最大?」ということはこの投資だけでなく、D社の負債全体の節税効果ということではないか?また、「平成21年度以降」は黒字に転ずるという表現から、平成20年度分は節税効果には関係ないから、抜かないといけないのだろうか?などと。それで時間に追われ、導き出した解答はというと、、、投資によって発生する支払利息+平成20年度のP/Lの支払利息(営業外費用)を現在価値に割引すればいいだろうと。ここでまた凡ミスをおかす・・・節税効果だというのに、支払利息額に税率を掛けるの忘れた・・・。ということで終~了~です。

第4問(配点20点)
設問1
資金調達を全額負債に依存した場合の問題点(60字)
⇒これは経営分析と同様の記述をすればいいかなと、あっさりと解答。「問題点は大幅に負債が増加し自己資本比率が低下する為に安全性が低下する点と多額の金利負担により収益性が低下する点である。」と記入。まぁ、6~7割は取れるでしょう。

設問2
過半数を超える出資を受け入れつつ経営権を維持する方法(40字)
⇒経営権を維持?最初は、そっか社債発行すればいいか?とか思ってたけど、設問には出資という制約条件があることに気付く・・・。うーん、なんだろ?そういえば、設問にはZ社の出資とは書かれていないな?あ!そっか!他の取引先にも出資をお願いすればいいんじゃない?「Z社以外にも出資の打診を行い、D社が筆頭株主となるように、出資の分散化を図る。」と記入。でも書いてから思った、筆頭株主になるだけじゃ経営権て維持できないんじゃ・・・。といっても、それしか思いつかないし。もうこれで許してください・・・。後から他の受験生ブログなどで「種類株式」のことかぁと思ったけど、ゼロ点にならない事を願いますわ。

その後、第2問と第3問の計算を何度もチャレンジしている内に終了時間がきてしまい、終了。この時点で、「得点をかせぐはずの財務事例でやっちまった・・・もうだめだ。」と考えながら、失意の帰宅。帰宅後、忘れないうちに速攻で再現答案を作成した。ほぼ100%に近い再現率だろう。今回の振り返りでところどころ披露してけど、合格発表後に機会があれば纏めてUPできればいいかなと思う。再現答案作成後に、502を徘徊していたら、やはり皆が財務事例で結構やられたみたいで、少しホッとした。けど、皆の「ダメだった」という感覚の差が激しいかもしれないので、自分の相対的な順位は全く予想できず・・・合格発表までは悶々とした日々が続くだろう。

【総評】
2次試験にかける思いが大きいほど緊張感も大きい、本試験は各受験指導校の演習・模試とは重みが全然違う、そういう中で80分間という時間で合格答案を作成することの難しさが身にしみた今回の2次試験だった。これまで自分がやってきた事に対しては後悔もしていないし、自分ながら頑張れたと思う。これでもし合格できなかったのだとしたら、私以上に実力があり、努力を積み重ねた人が大勢いたということ。あとは合格発表まで、合格を祈りつつ、今まで出来なかった事(仕事もプライベートも)を充実させていこうと思う。

2次試験(筆記)振り返り -おわり-

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